設楽ダムがいらない理由~取材同行して~
10月15日、相川俊英さんの取材に同行し、豊川水系を見て回りました。
その報告をします。
まず、設楽ダムが必要だと言う国や県の説明では…
・アユなど自然を保護し、川の瀬切れも無くす(6000万t)。
・戦後最大級の洪水が来た時の治水(1900万t)。
・水が足りない(1300万t)。
その全てに理由が無いことを示します。
案内してくれたのは、お二人。
【三上橋~布里】までを、元愛知大学教授の市野さん
【布里~ダム予定地】まで元校長先生の伊奈さん。
【三上橋】からは、現在残っている霞堤(わざと越水させて大きな洪水を抑止する)を見て、また鳥の姿からアユの産卵地であることの説明を受けた。
つまり、豊川放水路分岐点の「行明」の瀬(河口から12km)~豊川市二葉付近(河口から17㎞)までという。
国交省(中部地方整備局)が、アユ・ウグイの主要な産卵場所を江島橋下流の瀬(河口から22km付近)として、計測・計算しているのは全くの見当違いというわけだ。
【新城市豊島浄悦】地点へ移動。
大きな地図で見る
右の写真は、地図上のA地点から上流の橋と対岸を見ています。
対岸の林は地面が標高20mまで盛り上がって、水の流れを阻害しています。
その結果、戦後最大級の洪水が来ると、堤防ギリギリまで水の来る危険地域(豊川で最も高水位)となります。
設楽ダムを造ろうが、この茂み部分を削らなくては治水効果は得られません。
逆にこの地点を削るだけで、治水関係は改善されるのです。
【大原調整池】へ移動。
東名高速からも見える堤体、立派なダムです。
水路からポンプで水を汲み上げる特殊な調整池で、上流に川はありません。
200万tが貯められ、他の調整池と合わせて大きな役割を果たしています。
4つの調整池で、供給される年間水量は3900万tにのぼり、近年の渇水状況は一切ありません。
【大野頭首工~布里】へ移動。
ここの下流部がいわゆる瀬切れ地点となっています。
大野頭首工で水を取り過ぎているのが原因です。
本当は、既に瀬切れは解決可能です。
① 瀬切れを解消する為、寒狭川導水路が作られました。
(なぜか瀬切れ解決の為に使われず、更に地図からも削除されました。)
クリックで拡大して下さい。
右の赤〇に、寒狭川導水路の役割が書いてあります。
左の設楽ダムのパンフでは、導水路が白く修正(消)されています!
② 大野頭首工で全ての水を取水する必要がありません。
森岡導水路を利用することで、瀬切れ箇所から離れた下流部で取水することになり、解決します。
なぜ、森岡導水路を使わないのか?
森岡導水路は愛知県が作ったから、水資源機構(国)の管轄外だという。
いい加減、縦割り行政をやめてくれ。
あれもこれもと、地域で予算分捕り、官公庁で事業を造り合い、いったいどれだけのムダをつくり続けるのだろうか?
同じ日本なのだから協力・連携しようよ。
【設楽ダム予定地】へ。
左の写真は、がけ崩れした箇所。地盤悪いです。


真ん中と右の写真は、別のがけ崩れポイント。実は大きな断層です。
断層特有の粘土帯となっており、指が入り込んでしまうボロボロの地層です。
国が行った地質調査でも数10mにわたり、真砂土など悪いデータが出ています。
(国は地質が砂状でも地質が悪いと認めていません。)
【松戸地区】は左右に尾根がある特殊な地形(線状凹地)。
地盤が悪いと先祖代々言い伝えられている松戸地区。
ダムが出来れば集落ごと地すべりし、最悪ダム湖に吸い込まれるのではと心配する。
この松戸の端の尾根に、設楽ダムの堤体がくっつく。
その細い尾根を歩くと約1億tの水に耐えられるとは、到底思えない。
ダム堤体が付く場所に降りても、幅は20メートルも無いぐらいか。
岩盤の強い箇所まで削って作るにも、削る幅が無い。
アンカーボルトで補強しようにも、反対側に突き抜けてしまう。
人命を奪った藤沼ダムを想像せずにはいられなかった。
その報告をします。
まず、設楽ダムが必要だと言う国や県の説明では…
・アユなど自然を保護し、川の瀬切れも無くす(6000万t)。
・戦後最大級の洪水が来た時の治水(1900万t)。
・水が足りない(1300万t)。
その全てに理由が無いことを示します。
案内してくれたのは、お二人。
【三上橋~布里】までを、元愛知大学教授の市野さん
【布里~ダム予定地】まで元校長先生の伊奈さん。
【三上橋】からは、現在残っている霞堤(わざと越水させて大きな洪水を抑止する)を見て、また鳥の姿からアユの産卵地であることの説明を受けた。
つまり、豊川放水路分岐点の「行明」の瀬(河口から12km)~豊川市二葉付近(河口から17㎞)までという。
国交省(中部地方整備局)が、アユ・ウグイの主要な産卵場所を江島橋下流の瀬(河口から22km付近)として、計測・計算しているのは全くの見当違いというわけだ。
【新城市豊島浄悦】地点へ移動。

大きな地図で見る
右の写真は、地図上のA地点から上流の橋と対岸を見ています。
対岸の林は地面が標高20mまで盛り上がって、水の流れを阻害しています。
その結果、戦後最大級の洪水が来ると、堤防ギリギリまで水の来る危険地域(豊川で最も高水位)となります。
設楽ダムを造ろうが、この茂み部分を削らなくては治水効果は得られません。
逆にこの地点を削るだけで、治水関係は改善されるのです。
【大原調整池】へ移動。


東名高速からも見える堤体、立派なダムです。
水路からポンプで水を汲み上げる特殊な調整池で、上流に川はありません。
200万tが貯められ、他の調整池と合わせて大きな役割を果たしています。
4つの調整池で、供給される年間水量は3900万tにのぼり、近年の渇水状況は一切ありません。
【大野頭首工~布里】へ移動。
ここの下流部がいわゆる瀬切れ地点となっています。
大野頭首工で水を取り過ぎているのが原因です。
本当は、既に瀬切れは解決可能です。
① 瀬切れを解消する為、寒狭川導水路が作られました。
(なぜか瀬切れ解決の為に使われず、更に地図からも削除されました。)

クリックで拡大して下さい。
右の赤〇に、寒狭川導水路の役割が書いてあります。
左の設楽ダムのパンフでは、導水路が白く修正(消)されています!
② 大野頭首工で全ての水を取水する必要がありません。
森岡導水路を利用することで、瀬切れ箇所から離れた下流部で取水することになり、解決します。

なぜ、森岡導水路を使わないのか?
森岡導水路は愛知県が作ったから、水資源機構(国)の管轄外だという。
いい加減、縦割り行政をやめてくれ。
あれもこれもと、地域で予算分捕り、官公庁で事業を造り合い、いったいどれだけのムダをつくり続けるのだろうか?
同じ日本なのだから協力・連携しようよ。
【設楽ダム予定地】へ。
左の写真は、がけ崩れした箇所。地盤悪いです。



真ん中と右の写真は、別のがけ崩れポイント。実は大きな断層です。
断層特有の粘土帯となっており、指が入り込んでしまうボロボロの地層です。
国が行った地質調査でも数10mにわたり、真砂土など悪いデータが出ています。
(国は地質が砂状でも地質が悪いと認めていません。)
【松戸地区】は左右に尾根がある特殊な地形(線状凹地)。


地盤が悪いと先祖代々言い伝えられている松戸地区。
ダムが出来れば集落ごと地すべりし、最悪ダム湖に吸い込まれるのではと心配する。
この松戸の端の尾根に、設楽ダムの堤体がくっつく。
その細い尾根を歩くと約1億tの水に耐えられるとは、到底思えない。
ダム堤体が付く場所に降りても、幅は20メートルも無いぐらいか。
岩盤の強い箇所まで削って作るにも、削る幅が無い。
アンカーボルトで補強しようにも、反対側に突き抜けてしまう。
人命を奪った藤沼ダムを想像せずにはいられなかった。
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